私たちの3つの強み(1)

大学事情に精通

大学特有の事情にも、素早く対応します

大学向けシステムの開発経験と業務理解

大学システム開発課では、今までにいくつもの大学向けシステムを開発してきました。そのいずれも、それぞれに固有の事情を抱えており、その目的や、その利用方法も多岐にわたります。システムを主に利用するのは学生なのか職員なのか、はたまた教員なのかで、そのシステムに求められるものや、想定する利用ケースは異なってきます。想定される利用ケースが異なれば、そのシステムに求められる最適解も異なってきます。

大学は一般的な会社と似た部分もあれば、学生と教員というステークホルダーがいることがユニークでもありますし、その組織構造も独特な部分があります。私たちはこうした大学特有の事情に精通しており、あとで取り返しのつかない誤解があった、といった事態がありません。ある程度の前提共有ができているだけに、情報共有や議論がスムーズに運ぶことが多いメリットもあります。

もちろん、大学によって、また、部署によって常識とされることが違う場合もありますので、システム開発の際にはそういった前知識を活かしつつも、それが変な先入観とならないようヒアリングを行います。知識が逆に先入観となってしまってマイナスに働くことは避ける必要があります。行間は読みつつも、誤解のないように進めることで、スピーディーかつ正確な仕様設計が可能になるのです。

大学内システムとの連携も可能

まったくもってシステム化されていない大学というのはもはや存在しないと思います。ExcelやAccessを駆使して力業でがんばっている、という例はあると思いますが、既に何かしらのデータベースにデータを蓄積し、何かしらの認証システムで学生や教職員の管理を行っていることと思います。学内横断の大きなものから、部署単位の比較的小規模なものまで様々なケースがあるでしょう。

そういった既に大学内に存在する資産とも呼ぶべきシステムと連携しないのはもったいないですし、利用者の利便性という意味でも連携できる部分は連携すべきです。同じようなデータが複数の場所に点在しているのはデータ管理上すっきりしませんし、データとして正のものがあるのであれば、それを最大限に活用すべきでしょう。データとして常に正のものは尊重すべきですし、二重作業にならないような業務フローであるべきです。

例えばユーザー認証部分は、シボレス認証やSAML認証等の大学内の共通認証システムが存在する場合は、その認証システムを利用するかたちで実装すべきです。こうすることで大きく作り込まずとも強固かつ共通化された認証を行えますので、システム構築の工数を下げられる場合が多いです。また、部署マスタや職員マスタなど、既にデータベース化されているデータについては、システム間で連携して自動的にデータを取得すれば、人力でのデータ更新等の手間を削減することが可能です。

もちろん、システムの性質上、独自にユーザー認証を行う必要があったり、管理者が管理画面にアクセスする際の二段階目の認証を設ける必要があったりする場合は、柔軟に対応すべきです。学籍番号を持たない段階でシステムを利用させる必要がある場合や、立場的に学内認証を利用できない場合もあるでしょう。必要なところは作り、利用できるものは使うという判断を行うことで、筋肉質なシステムができあがると言えます。

外部サービスとの連携も可能

GoogleやMicrosoftが提供しているサービスを、全学的に導入している大学も多いと思います。そうした外部サービスが存在する場合、APIというインターフェースを通じて連携することも可能です。普段使っているツールとの共存度は利用者にとっては重要なポイントであり、システムの性質にもよりますが、連携することで利便性が高まるのであれば非常に意味があります。

例えばGoogleカレンダーに登録されている予定を自動的に読み込んだり、Googleカレンダーに逆に書き込んだり、といったシステム機能が実現できます。また、経路検索のサービスを契約している場合は、交通費精算等の機能を実装する際に、そのサービスのAPIを活用することで、正確な経路を取得することができます。昨今ではタイムスタンプ機能もAPIで提供されるようになってきていますので、PDFへのタイムスタンプ付与により、ペーパーレス化を推進することも可能でしょう。

こうした外部サービスとの連携は今後も増え続けることが予想されます。全学的、または部署として利用しているサービスと連携することで、システムの開発規模をおさえながら、高機能化を図ることが可能になります。すでに利用しているツールと連動することで利用率が高まることも期待できるため、全学的な導入の際の売り文句になることも期待できます。積極的な検討をおすすめします。

利用されてこそのシステム

新しく構築するシステムの規模が小さくても問題ありません。むしろ、小さいシステムの方が、より細かい事情に対応することができるため投資対効果が高まることも多くあります。大切なのは学内の業務フローに寄り添う形で実装できるかどうかであり、規模の大小で語るべきではありません。たとえ大規模な予算を投入したプロジェクトでも利用率が低くとどまれば意味のない投資になってしまいます。大学は学生、教員、職員と、立場も違えば考え方も異なる人達の集まりです。そうした立場を超えて愛されるシステムを作り上げることは、簡単なことではないと言えます。

大学内のシステムに向けられる目は厳しいものがあります。旧来のやり方が非効率なためにシステム導入をしたのに、肝心の利用率が高まらずに旧来のやり方を廃止しきれない、という例も珍しくありません。システムとして使いやすいことはもちろん、使い手のニーズを的確に満たす必要があることを、今までの数々の経験から学んできました。核となる価値は何か、そしてそれは十分なレベルで提供できているのか。こうしたことを反芻しながら常に開発プロジェクトに向き合っています。

また、システムだけの視点ではなく、業務フローをどのように効率化できるかという視点を常に意識するように努力しています。システム化のお話が進む中で、どうしてシステムを導入すること、という手段が目的化してしまいがちですが、もっとも大切なのは、現場の負担を軽減することであったり、利用者の利便性を高めたりすることだと思います。こうした、システムを導入した先にあるものを見据えながら、システム化の議論を進めていきます。


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